アイガモロボとは?
アイガモロボは、水田を自動で走行し、水流で泥を巻き上げ、濁った水によって雑草の光合成を妨げ、さらに土中に埋め込むことで雑草の発生を抑制するロボットです。人の手による除草作業を大幅に削減できるだけでなく、化石燃料や化学農薬を使わないため、環境に優しい米作りを実現します。対象作物は水稲です。
これまでの実証では、除草工数を60%削減し、収穫量を10%向上させる効果が確認されています。また、ジャンボタニシの食害抑制や、水田から排出される温室効果ガスであるメタンガスの抑制にも貢献することが分かっています。
ベトナムでの期待と国家戦略への組み込み
ベトナムでは、メコンデルタ地域で「100万ha高品質・低排出米生産プログラム」という国家プロジェクトを進めており、2030年までのメタンガス削減目標を掲げています。この重要なプロジェクトにおいて、アイガモロボが解決策の一つとして公式に位置づけられたことは、その技術が国際的にも認められている証と言えるでしょう。
2026年7月にホーチミン市で開催されたセミナー「農業機械化の推進―生産性向上、コスト削減、気候変動への適応に向けた解決策」の公式報告書に、アイガモロボの取り組みが採用されました。このセミナーは、ベトナム農業環境省傘下の国家農業普及センター(NAEC)が主催し、政府関係者や研究機関、農業普及機関、農家代表が一堂に会する重要な会議です。

NAECは、国際連合食糧農業機関(FAO)の持続可能な農業機械化フレームワーク(SAMA)に基づいた「スマート機械化モデル」を提示し、データ基盤整備からAI・ロボットの全面統合、そして炭素市場への参入という国家ロードマップを打ち出しています。
この中で、株式会社NEWGREENは日本発の農業ロボットメーカーとして唯一、公式報告書の執筆機関の一つとして名を連ねました。これは、現地の有力農業関連企業や中央研究機関と並び、アイガモロボがベトナムの農業政策形成を支える具体的な技術として認識されていることを示しています。
ベトナムでの実証と今後のロードマップ
NEWGREENは、2024年からベトナムの農業大手Loc Troi社との協業を進め、日本国内で約4,000台の導入実績を持つアイガモロボのベトナムでの実証テストを継続しています。さらに、2026年3月にはNAEC、Loc Troi社、NEWGREENの3者でMOU(了解覚書)を締結し、メコンデルタ地域での実証実験、普及マニュアル作成、メタンガス削減効果の認証取得を推進中です。
今後の展開としては、2026年6月から2027年12月にかけて3シーズン・1ha規模の小規模実証を行い、その後、JICAビジネス化実証事業や経済産業省のグローバルサウス補助金(補助率2/3)の活用を目指し、段階的に導入規模を拡大していく計画です。最終的には、1万台規模の導入も視野に入れています。

日本での実績と政策的な後押し
アイガモロボは、日本国内でもその効果が広く認められています。農林水産省の「みどりの食料システム戦略技術カタログ」に、民間農機メーカー発の技術として日本で初めて掲載されたほか、農林水産省の取り組み事例としても紹介されています。
また、経済産業省の「AIロボティクスに関する関係府省連絡会議」での紹介や、「みどり投資促進税制」の認定など、政策的な後押しも連続しています。これらの実績は、アイガモロボが持続可能な農業の実現に向けた有力なツールであることを強く裏付けています。
導入や活用を検討する方へ
アイガモロボは、水田における除草作業の負担軽減、収量向上、そして環境負荷の低減という、多くの生産者が抱える課題を解決する可能性を秘めています。特に、メタンガス削減効果は、将来的なカーボンクレジット市場への参入など、新たな収益源につながる可能性も期待できます。
具体的な導入コストや入手・申込方法については、株式会社NEWGREENのウェブサイトで最新情報を確認するか、直接お問い合わせください。
- 株式会社NEWGREEN:https://newgreen.inc/
2025年に製造された1,000台が即完売するなど、その需要は非常に高い状況です。ベトナムでの大規模展開が進む中で、日本国内でもさらなる普及が期待されるアイガモロボ。持続可能な農業を目指す生産者にとって、ぜひ注目しておきたい技術と言えるでしょう。





