JAXAが支援!宇宙から現場まで、アジアの農業をサステナブルに変える新技術
日本の宇宙開発をリードするJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が実施する「宇宙戦略基金事業」に、Space Tech Accelerator(STA)株式会社の「現場を結ぶアジア発サステナブル調達基盤構築」プロジェクトが採択されました!このプロジェクトは、宇宙からのデータと、皆さんの農地の情報を繋ぎ合わせることで、アジアの農業をもっと「サステナブル(持続可能)」にするための新しい仕組みを作る、という画期的な取り組みです。
なぜ今、この取り組みが必要なの?
皆さんの身近なシャンプー、インスタント麺、チョコレート。これらの原料に使われているパーム油やカカオ、天然ゴムの多くは、東南アジアで生産されています。特に、最大の生産国であるインドネシアでは、たくさんの小規模農家さんが頑張って農業を営んでいますが、次のような課題に直面しています。
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認証取得の難しさ: 小規模農家さんにとって、環境に配慮した生産の証明(認証)を得るのが難しいことがあります。
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環境問題: 森林の減少や泥炭地の劣化といった問題も深刻です。

また、欧州連合(EU)の「EU森林破壊防止規則(EUDR)」のように、森林破壊に関わる製品の輸入を規制する新しい国際ルールが強化されたり、企業活動全体の温室効果ガス排出量(Scope3開示)が求められたりするなど、農産物を調達する企業も、どこでどのように作られたかをもっと詳しく知りたがっています。しかし、広大な農地を一つ一つ見て回るのは現実的に難しいですよね。
そこでSTAは、宇宙からの客観的なデータと、皆さんの現場で得られる大切な情報を組み合わせることで、産地の「今」を分かりやすくする情報基盤を作ろうとしています。これは、生産者さんの日々の努力が正しく評価され、持続可能な農業が推進されるための大きな一歩になります。

具体的に何ができるようになるの?
このプロジェクトは、最長5年間の計画で、インドネシアのパーム油分野からスタートし、ココナッツ、カカオ、コーヒー、天然ゴムなど、他の主要農産物にも段階的に展開していく予定です。主な取り組みは以下の3つです。
1. サプライチェーン統合プラットフォームの開発
衛星データ、現場の取引記録、認証関連データといった様々な情報を一つに統合するクラウドシステムを構築します。このプラットフォームは、農家さんが自分の農地の状態を確認したり、調達企業がサプライチェーン全体のリスクを把握したり、認証機関が審査を効率化したりと、関わる全ての人が同じ情報を見て、それぞれの判断に役立てられる環境を目指します。
2. 小規模農家・農協向けアプリの社会実装
すでに開発が進められている農協向けアプリがさらに進化します。紙での記録をデジタル化したり、自動で計算してくれたりするのはもちろん、このプロジェクトではさらに衛星データと連携して、次のような便利な機能が加わる予定です。
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収量予測: いつ頃、どれくらいの収穫が見込めそうかを予測し、計画的な生産をサポートします。
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施肥最適化: 肥料はどれくらいが最適か、適切なタイミングを教えてくれることで、コスト削減や環境負荷の軽減にも繋がります。
まずはインドネシアのパーム油農家さんで実用化を目指し、その後、他の作物や周辺国にも広げていく計画です。
3. 様々な衛星データを活用したソリューションの事業化
SAR(合成開口レーダー、雲があっても地表を観測できる)、光学、ハイパースペクトル(より詳細な情報を取得できる)、熱赤外(地表の温度を測れる)といった複数種類の衛星データを統合的に活用することで、農業・資源分野での分析精度を高め、新しい使い道を広げていきます。
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作物の生産性・健全性解析: 作付面積の把握、収量推定、病害などの異常の早期検知に役立ちます。
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森林・土地利用のESGモニタリング: 森林が減っていないか、土地が適切に使われているかを監視し、環境への配慮を証明したり、温室効果ガス(GHG)の排出量を計算したりするのに役立ちます。
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熱赤外衛星による泥炭地火災の予兆検知: 火災が起こる「前」にその兆候を捉えることで、被害を未然に防ぐための予防策を立てられるようになります。
これらの技術は、パーム油だけでなく、ゴムやカカオなど、樹木作物全般のモニタリングにも応用可能であり、対象作物の拡大に伴い活用範囲を広げていく計画です。

導入はいつから?どうすれば使えるの?
このプロジェクトは最長5年間かけて進められ、まずインドネシアのパーム油分野で基盤を確立し、段階的に他の作物や地域に展開していく予定です。具体的な導入コストや、農家さんが直接利用するための詳しい申込方法については、今後の情報公開を待つ必要があります。
ただし、小規模農家・農協向けアプリはすでに一部で活用されており、今後さらに機能が拡充されるとのことですので、STAからの続報に注目していきましょう。
プロジェクトに込める想い
Space Tech Accelerator株式会社の平賀元気代表取締役は、「衛星で上空から監視するだけでは、何も変わりません。必要なのは、宇宙からのデータと現場の営みをつなぎ、農家の生活向上と環境保全を同時に実現する仕組みです。」と語っています。このプロジェクトは、単に技術を導入するだけでなく、農家さんの生活を豊かにし、持続可能な農業を実現することを目指しています。
おわりに
この新しい取り組みは、アジアの農業が抱える課題を解決し、生産者の皆さんの努力が報われる社会を作るための大きな可能性を秘めています。今後の展開に期待し、STAの活動をぜひチェックしてみてください。
- Space Tech Accelerator株式会社: https://spacetechaccelerator.com/





