なぜ水稲栽培のメタン削減が重要なのか
水稲栽培は、田んぼを常に水に浸す伝統的な方法(湛水管理)によって、メタンガスという強力な温室効果ガスを排出する原因の一つとなっています。地球温暖化対策として、このメタンガスの排出量を減らすことが世界的に求められています。
AWD(間断灌漑)技術で環境と経営を両立
このプロジェクトの核となるのが、AWD(Alternate Wetting and Drying:間断灌漑)という技術です。AWDは、水田を継続的に湛水させるのではなく、一定期間、田んぼを乾かすという節水型の灌漑技術です。この方法を取り入れることで、稲の収量を維持しながら、メタンガスの排出量を大幅に削減し、さらに灌漑用水の節約にもつながります。
削減されたメタンガス量は「カーボンクレジット」として価値が生まれ、売買することで農家さんの新たな収入源となる可能性があります。環境に配慮した農業が、直接的な経済的メリットにつながる点が大きな魅力です。
Green Carbonとゲアン大学の連携体制
Green Carbonは、このプロジェクトにおいて、技術的な方法論の提供、メタン排出量の測定プロトコル、プロジェクトの資金提供、温室効果ガスデータの管理・検証、そしてカーボンクレジットの開発と国際的な資金提供パートナーとの連携を担います。
一方、ゲアン大学は、その科学的知見、研究施設、そして地域ネットワークを活かし、メタン排出量や圃場水位のモニタリング、参加農家との調整、温室効果ガス削減活動の実施、そしてベトナム中部地域での普及活動を推進します。両者の強みを組み合わせることで、科学的根拠に基づいた信頼性の高いプロジェクト運営が可能になります。
今後の展開と日本の生産者への示唆
このプロジェクトは、2026年から10年間かけてベトナムのゲアン省内で対象地域を段階的に拡大し、2035年までに62,000ヘクタールへの拡大を目指しています。低炭素型の水稲栽培モデルを確立し、ベトナムの気候目標達成に貢献することが期待されています。
Green Carbon株式会社は、今回ご紹介したベトナムでの取り組みだけでなく、日本国内でも水田でのカーボンクレジット創出事業を展開しています。日本の伝統的な「中干し」などを通じたメタン削減も支援しており、環境に優しい農業を目指す日本の生産者の皆様にとっても、新たな収益源と持続可能な農業経営を両立させるヒントになるかもしれません。
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