農業現場の課題に挑むスマート農業教育
北海道北斗市では、地域農業の未来を担う人材育成のため、北海道大野農業高等学校とデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社(DIT)が連携し、スマート農業教育プロジェクトを進めています。このプロジェクトの第2回講座が2026年8月26日に実施され、大野農業高校の生徒52名が農業用ドローンを使った最先端の農作業を体験しました。
道南地域の農業が直面する人手不足や高齢化といった課題に対し、農業用ドローンは大きな解決策となり得ます。今回の講座では、生徒たちがドローンによる作業の省力化・効率化について学びを深めました。

農業用ドローン「アグリフライヤーFF」のデモフライト
講座では、まず農業用ドローン「アグリフライヤーFF」の機体の特徴や、自動飛行・ABモード・アシストモードといった様々な飛行モードについて説明がありました。農業用ドローンは、農薬や肥料の散布、圃場の状況確認、生育状況のデータ収集など、多岐にわたる農作業を効率化するために使われる無人航空機です。
その後、生徒たちは水稲圃場(すいとうほじょう:水田のこと)で、ドローンの離陸、ホバリング(空中停止)、旋回、着陸といった基本動作に加え、水を用いた散布デモを見学しました。マニュアル操縦だけでなく、設定したルートを自動で飛行する機能や、効率的な散布を可能にする機能が実際に動く様子を見て、ドローンがどのように農業現場の作業を効率化できるのかを具体的に確認しました。

デモフライトの後には、ドローンを間近で見学する機会も設けられました。機体のタンクやノズルの構造、折りたたみ方、運搬、洗浄、飛行後の点検方法など、実際の現場でドローンを使用する際の取り扱いについて、生徒たちは理解を深めました。

未来の担い手たちの声
実際にドローンを目の当たりにした高校生たちからは、驚きと期待の声が上がりました。
「散布型のドローンを初めて見ました。上からだと必要のないところにもかかってしまうのかなと思っていましたが、操縦士の技術でカバーできることが分かり、実用的だと感じました。次は自分でドローンを操作してみたいです。」

「実物は想像していたより大きくて、迫力がありました。飛んでいるときに風も来て、すごいと思いました。コントローラーを操作しなくてもドローンが自動で動いてくれることに驚きました。飛行の正確さや、いろいろな飛行モードがあることも印象に残りました。」

「農業は人手不足や高齢化が進んでいるので、人が少なくてもドローンや機械を活用して作業できるのは、これからの時代にとてもいいと思いました。私は牛について学んでいるので、牛を放牧しているときの観察やデータを取ったり、牛舎内のことを調べたりするのにも、ドローンやAIを使えたらいいなと思います。」
大野農業高校の石川先生は、「生徒のドローンへの関心の高さが、多くの質問やその内容の深さから伝わってきました。本プロジェクトを通して、生徒がドローンやAIを活用した『先進的な農業』の可能性を探求できることに期待しています」とコメントしています。
地域DXと次世代人材育成への取り組み
今回の講座は、生徒たちが農業用ドローンの機能や飛行方法を学ぶだけでなく、実際の圃場でその動きを見学することで、スマート農業技術(AIやIoT、ドローンなどの先端技術を活用して、農業の生産性向上や効率化を図る新しい農業の形)をより具体的にイメージする貴重な機会となりました。また、ドローンによる作業の省力化・効率化を知ることで、地域農業の課題に対してデジタル技術(DX:デジタルトランスフォーメーション)をどのように活用できるかを考えるきっかけにもなりました。

北斗市、大野農業高校、DITは、2026年7月7日にスマート農業および地域DXを担う次世代人材の育成を目的とした連携協定を締結しました。DITは、函館市の「DXビジネス研究室函館分室」および北斗市の「北斗AIサテライト」を拠点に、道南地域における地域DXやデジタル人材育成に継続的に取り組んでいます。
今後は、今回の講座で得た知識を踏まえ、ドローンで撮影した空撮画像を活用した圃場観察やデータ分析、地域農業の課題解決に向けたアイデアの検討などに取り組み、学内および地域の農業関係者に向けた成果発表につなげていく予定です。
デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社について
DITは、業務系・組込み開発を基盤とする独立系IT企業です。Web改ざんを瞬間検知・瞬間復旧するセキュリティ製品「WebARGUS(ウェブアルゴス)」や、業務自動化プラットフォーム「xoBlos(ゾブロス)」などの自社製品を展開しています。また、ドローンやAIを活用した地域課題の解決や次世代人材の育成にも力を入れています。
DITの詳細は、以下のウェブサイトで確認できます。






