細胞農業インフラを開発するインテグリカルチャー株式会社(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役:羽生雄毅、川島一公)は、クラフトビール「COEDO」を手がける株式会社協同商事(本社:埼玉県川越市、代表取締役社長:朝霧重治)と共同で、新たな共創プロジェクトを開始しました。ビールを醸造する過程で生まれる醸造産物を、細胞を育てるための栄養液「培地」の原料として活用する取り組みです。
プロジェクト「ビールからタンパク食をつくる。」の概要
プロジェクト名は「ビールからタンパク食をつくる。~ビール醸造産物の細胞農業への活用~」です。協同商事が主管企業を務めます。このプロジェクトは、埼玉県の「渋沢MIX オープンイノベーションプログラム『Canvas』」インキュベーションプログラムに採択されています。同プログラムの2026年度の採択は15件です。
検証は2027年1月まで行われます。その成果は、2027年2月頃に開かれる渋沢MIX成果発表会で報告される予定です。
醸造の現場と細胞農業、それぞれの課題
協同商事:副産物を地域と農業へ還す循環づくり
協同商事は、「農業を出発点とする食のサイクルすべてに関与する」アグリベンチャーを掲げています。これまで醸造で生じる副産物を地域や農業へ戻す仕組みを積み重ねてきました。主な取り組みは次のとおりです。
- 麦芽粕の飼料化
- 排水からのバイオガス回収
- 汚泥のたい肥化
同社の発表によると、2026年には日本の酒類業界で初めて国際認証「B Corp」を取得しました。この循環の次の段階として注目したのが、日々の醸造とともに生まれる醸造産物です。
インテグリカルチャー:食品由来の安全で安価な培地原料
細胞農業では、培地が生産コストの大半を占めるとされています。そのため、安全で安価な食品由来の原料が求められています。インテグリカルチャーは、酒粕をはじめとする日本の発酵副産物を培地に活かす研究開発を進めてきました。今回のプロジェクトは、こうした両社のニーズを埼玉の地で結びつけるものです。
「何から、どこで、誰がつくったのか」を語れる細胞農業へ
地域の風土をビールの価値に変え、「クラフトビール」という新しい文化を日本に根づかせてきたCOEDOの歩みについて、インテグリカルチャーは、自社が思い描く新しい食が社会に受け入れられていく道筋とも重なるとしています。そのうえで、「何から、どこで、誰がつくったのか」を語れる細胞農業のかたちを、醸造の現場から探るとしています。
協同商事は1982年8月の設立です。1970年代から有機農業の推進に携わり、青果物の卸売・物流やビール製造などを通じて、農業を出発点とする食のサイクルすべてに関わってきました。クラフトビール「COEDO」は国内外で展開しています。インテグリカルチャーは2015年10月の設立です。大規模細胞培養基盤技術「CulNet® System」を中核に据え、「みんなが使える細胞農業」を掲げて細胞農業インフラを開発しています。食品素材のみで構成した培地や、地域の発酵副産物を活用した培地の研究にも取り組んでいます。





