AI搭載の自動収穫ロボットなどのフードテックで農業課題の解決に取り組むスタートアップ、AGRIST株式会社(本社:宮崎県児湯郡新富町)と、農業資材や家庭園芸用品を中心に扱う専門商社の株式会社welzo(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:金尾 佳文)が、キュウリ栽培での共同実証実験を開始しました。舞台は宮崎県児湯郡新富町のキュウリ実証圃場で、同じ圃場・同じ作型で両社の技術を統合して検証します。実施期間は2027年8月31日までです。
今回の取り組みでは、welzoの「栽培制御システム」とAGRISTが開発する「自動収穫ロボット」を組み合わせます。データの相互連携に加え、環境と樹姿の設計を最適化することで、経験の浅い作業者でも安定した栽培管理を実現しながら省力化・自動化を加速させる「再現性の高い自動化モデル」の確立を目指します。
- 対象作物:キュウリ
- 実証拠点:宮崎県児湯郡新富町(ハウス約2a)
- 実施期間:~2027年8月31日迄

背景にあるのは施設園芸の人手不足と技術継承の課題
キュウリは日本の施設園芸における主要品目のひとつです。一方で、高温多湿なハウス内での収穫作業は過酷で、環境管理や栽培管理には熟練者の「経験と勘」に頼る高度な技術が求められます。そのため、就農者の高齢化と担い手不足が極めて深刻な課題となっています。
こうした課題に対し、AI搭載自動収穫ロボットを展開するAGRISTと、先進的な栽培制御システムを提供するwelzoがタッグを組みました。これまでの「収穫だけ」「環境制御だけ」といった部分的な最適化から踏み込み、栽培環境の制御から収穫作業の自動化までを一貫して最適化するトータルソリューションの検証に乗り出します。

実証で検証する3つのテーマ
共同実証の概要は、次のとおりです。
- 「自動収穫ロボット」と「栽培制御システム」の相互連動の評価
- ロボットの収穫率を高める環境制御・樹姿形成のパターン構築
- 非熟練作業者による栽培管理の安定性と、作業時間削減効果のデータ検証

ロボットが収穫しやすい栽培をデータで設計
取り組みの軸となるのは、AGRISTの自動収穫ロボットとwelzoの栽培制御システムのデータを統合して検証する点です。ロボットが収穫しやすい樹姿や環境条件を合わせて設計・検証し、再現性の高い新たな農業モデルとして「次世代自動化モデル」の構築を目指します。
もうひとつの柱が、「熟練者の勘」に頼らない生産体制づくりです。welzoの栽培制御システムを活用することで、経験の浅い作業者でも安定した環境・栽培管理を行えるようにし、担い手不足や技術継承の課題に悩む農業現場を支える実用的なアプローチとして位置づけています。さらに、新富町の実証圃場で得られる環境データや作業ログをもとに、両社の製品改善や新サービスの開発も進めていく方針です。

全国の施設園芸農家への展開を視野に
両社は今後、実証を通じて得られる環境データや収穫作業ログの解析を進め、ロボットと制御システム双方の機能向上や現場への最適化を図るとしています。大学等の研究機関との連携も視野に入れながらデータの利活用と技術検証を深め、将来的には今回構築する「再現性の高い自動化モデル」を全国の施設園芸農家や農業法人へ展開することを目指します。地域発のアグリテックイノベーションとして、担い手不足の解消と持続可能な生産体系の確立に貢献していく考えです。
AGRISTは、テクノロジーで農業課題を解決し、100年先も続く持続可能な農業を実現するスタートアップです。設立は2019年10月で、代表者は斎藤潤一、秦裕貴の両氏。AIを搭載した自動収穫ロボットを活用したスマート農業を全国で展開しており、本社を置く宮崎県新富町は、国の地方創生優良事例にも選ばれた農業が盛んな町です。これまでに農林水産大臣賞を含め、国内外で27個以上の賞を受賞しています。また同社は、営農支援アプリケーションを構築するエンジニアやロボット開発エンジニア、次世代農場で栽培や農業技術の研究開発を担う農場スタッフの採用を強化しています。
出典:アグリスト





