愛知県豊橋市は、令和8年10月16日、首都圏のスタートアップを対象とした交流イベントを東京で開催しました。このイベントは、農業現場の課題解決につながる技術やアイデアを全国のスタートアップから募る「アグリテックコンテスト」への応募拡大を目的としたものです。対象は、同コンテスト(令和8年10月23日まで募集)への応募を検討している首都圏のスタートアップです。当日は首都圏のスタートアップなど48名が参加し、33名だった昨年度を上回りました。

「施設栽培」と「露地栽培」に分けて現場の課題を議論
イベントには、豊橋市で実証に取り組む生産者、農業関連事業会社、スタートアップから計5名が登壇しました。栽培方法ごとに異なる課題を掘り下げるため、トークセッションは「施設栽培」と「露地栽培」の2テーマに分けて行われ、現状の課題や目指す未来について意見が交わされました。
続く座談会では、登壇者と参加者が直接対話しました。生産者と農業関連事業会社からは実証パートナーに求めるポイントなどが、豊橋市で実証に取り組むスタートアップからは同市で実証する価値や魅力などが語られました。参加者にとっては、コンテストへの応募に向けて具体的なイメージを描く場となりました。
イベントの概要
- 実施日時:令和8年10月16日(金)17:00~20:00
- 会場:AgVenture Lab(東京都千代田区大手町1丁目6-1 大手町ビルヂング9階)
- 主催:豊橋市
- 内容:事業概要とアグリテックコンテストの説明、「施設栽培・露地栽培の現状課題と未来について」をテーマとした登壇者によるトークセッション、登壇者と参加者の座談会、事務局への個別相談会、ネットワーキング
登壇者
- イノチオみらい株式会社 代表取締役社長 大門 弘明 氏(農業関連事業会社)
- 株式会社AT Farm 代表取締役 朝倉 寛晶 氏(キャベツ等生産者)
- 沼野園芸 沼野 一佳 氏(小菊生産者)
- 株式会社きゅうりトマトなすび 代表取締役 佐々木 佑介 氏(R7コンテスト入賞スタートアップ)
- 株式会社WAKU 代表取締役 姫野 亮佑 氏(R6コンテスト入賞スタートアップ)

AT Farm・朝倉氏は農家が「使ってみたい」と思える解決策に期待
登壇者の一人である株式会社AT Farm代表取締役の朝倉寛晶氏は、近年の異常気象によって、これまでの経験や勘だけでは対応が難しくなっているとコメントしました。あわせて、担い手の確保や技術の承継も重要な課題に挙げています。そのうえでスタートアップに対しては、従来の農業の常識にとらわれない新しい発想とともに、製品の使い方などが直感的に伝わり、農家が「使ってみたい」と思える解決策を期待していると述べました。
参加した首都圏のスタートアップからは、豊橋市で実証に取り組む生産者から課題の背景やスタートアップに期待することを直接聞けたことで、現場への理解が深まったとの声が寄せられました。また、豊橋市で実証に取り組むスタートアップの話を通じて、豊橋で実証する意義を明確にすることや、提案前から生産者と関係を築くことの重要性がわかり、コンテストへの応募を検討するうえで大いに参考になったとしています。
豊橋市地域イノベーション推進室の主任、喜多亮介氏は、昨年度を上回る多くの参加者が集まり会場が大いに盛り上がったと振り返りました。市内で実証に取り組む生産者らから現場のリアルな課題やニーズを直接聞けたことは、参加者にとって貴重な機会になったと感じているとしています。そのうえで、得られた気づきを豊橋の農業課題の解決につながる具体的で実効性のある提案に生かし、コンテストに応募してもらうことへの期待を示しました。

「アグリテックフレンドリーなまち」を目指す豊橋市の取り組み
豊橋市は、農業者、スタートアップ、企業、大学などとの共創を通じて、スタートアップの挑戦を地域全体で応援する「アグリテックフレンドリーなまち」を目指しています。その一環として進めているのが、市内の農業関係者と全国のスタートアップやアグリテック企業などをつなぐ「豊橋アグリミートアップ」です。農業関係者の課題や協業ニーズを踏まえ、革新的な技術とアイデアを持つ全国のスタートアップと市内の農業関係者が連携し、地域の農業課題の解決につながる製品やサービスの開発を目指すプロジェクトです。
この取り組みの一つとして、市内の生産者とスタートアップの交流会も開かれています。令和8年度は11月27日と2月26日の開催で、会場は豊橋市内を予定しています。市は、地元農業者の生の声を聞ける貴重な機会としてこの交流会への参加を呼びかけており、過去の開催の様子などはホームページで紹介されています。
出典:豊橋市





