
ISC 2026でラム部門の最高栄誉に選出
福岡県朝倉市の朝倉蒸溜所(株式会社篠崎)が、世界的な酒類品評会「International Spirits Challenge(ISC)2026」で「Rum Producer of the Year」を受賞しました。この賞は、ラム部門の生産者に贈られる最高栄誉です。ISCは1995年に創設され、同賞は2015年から授与されています。日本のメーカーが受賞したのは今回が初めてです。
ISCでは、世界各国から出品された蒸留酒を専門家が審査し、品質の優れた製品や生産者を表彰しています。2026年の審査では、朝倉蒸溜所のラム2製品がDOUBLE GOLDを獲得しました。あわせて、生産者を対象とする「RUM PRODUCER OF THE YEAR」にも選ばれています。
- 品評会:INTERNATIONAL SPIRITS CHALLENGE 2026
- 受賞名:RUM PRODUCER OF THE YEAR
- 部門:RUM
- 発表日:2026年10月6日
- 受賞者:朝倉蒸溜所(株式会社篠崎)
- その他の受賞:DOUBLE GOLD 2製品

出発点は、地域のサトウキビとそれを支える農業
朝倉蒸溜所がラム造りを始めたのは15年前です。きっかけは、福岡県朝倉地域で栽培されるサトウキビと、その生産を支える農業に目を向けたことでした。地域のサトウキビ産業では、農家の高齢化や黒糖需要の減少など、取り巻く環境が変わりつつありました。そのなかで「地元の原料を生かして新たな価値をつくれないか」という問いが生まれ、ラムへの挑戦が始まりました。
先代が始めた取り組みは現代表に引き継がれました。親子2代にわたり、原料の個性をどのように酒へつなげるかを探り続けています。現在は、朝倉産サトウキビの搾汁液を使ったアグリコールラムに加え、沖縄の8つの島々で造られる黒糖を原料にしたラムなども手がけています。日本各地の風土や原料の個性を生かした製品開発に取り組んでいます。

日本酒・焼酎で培った発酵・蒸溜技術をラムに
朝倉蒸溜所は、株式会社篠崎が運営する蒸留酒の製造拠点です。長年培ってきた日本酒・焼酎造りの技術を土台に、ラムをはじめとするさまざまな蒸留酒の可能性を探っています。掲げる理念は「THE QUEST FOR THE ORIGINAL(独創性の追求)」です。世界各地で育まれてきたラムの伝統や製法に敬意を払いながらも、そのスタイルをそのまま模倣することはしません。日本の原料と発酵・蒸溜技術を生かした酒質を追い求めています。
目指しているのは、原料が持つ豊かな香味を引き出しつつ不快な香味を抑え、繊細さと複雑さを併せ持つラムです。そのために発酵条件や蒸溜方法の検証を重ね、原料由来の香味とクリーンな酒質を両立させる方法を探ってきました。樽熟成にも取り組み、原料そのものの個性に熟成による奥行きを重ねることで、新たなラムの表現を模索しています。同社は今回の受賞について、こうした日々の試行錯誤と技術の蓄積が評価されたものと受け止め、大きな励みになるとしています。

2027年春、新ラムブランド「DAWNS」をローンチ予定
同社は今回の受賞をひとつの節目とし、2027年春に新たなラムブランド「DAWNS(ドーンズ)」をローンチする予定です。15年間積み重ねてきたラム造りを、新しい形で発信するためのブランドです。名前は、英語で「夜明け」を意味する「DAWN」に由来します。日本ではこれまでも、多くの造り手がそれぞれの土地や原料と向き合いながらラムを造ってきました。同社はその一員として、日本ならではのラムの魅力を広げ、世界へ発信していきたいとしています。ブランド名には、ジャパニーズラムがさらに発展し、新たな時代を迎えることへの期待が込められています。
代表取締役の篠崎倫明氏は、「私たちのラム造りは15年前、地元のサトウキビを生かしたいという思いから始まりました」と振り返ります。今回の受賞については、「親子2代にわたる15年間の挑戦が世界で評価されたもの」として喜びを示しました。一方で、「私たちの挑戦はまだ道半ばです」とも語っています。同氏は、受賞をひとつの節目であり新たな出発点と位置づけ、これからも独創性を追求し、世界中の人々に日本のラムの魅力を届けていくとコメントしています。
出典:株式会社篠崎





