スマート農業

国内初、850MHz帯Wi-Fi HaLowを活用したロボットトラクターの無線遠隔監視・制御の実証に成功

国内初、850MHz帯Wi-Fi HaLowを活用したロボットトラクターの無線遠隔監視・制御の実証に成功

帯広市川西農業協同組合

日本電気株式会社

NECネッツエスアイ株式会社

 帯広市川西農業協同組合(以下 JA帯広かわにし)、日本電気株式会社(以下 NEC)、NECネッツエスアイ株式会社(以下 NECネッツエスアイ)、Morse Micro PTY. LTD.(以下 Morse Micro)は、北海道十勝地域の大規模畑作圃場において、長距離通信に適した無線LANである850MHz帯Wi-Fi HaLow(注1)を活用したロボットトラクターの遠隔監視・制御に関する実証実験を共同で実施しました。なお、本実証は総務省「地域社会DX推進パッケージ事業 実証事業(先進的通信システム活用タイプ)」の一環として実施したものです(注2)。なお、850MHz帯Wi-Fi HaLowを利用してロボットトラクターの自動運転を行うのは国内で初めてです(注3)。

 本実証では、Wi-Fi HaLow通信機器を搭載したヤンマーアグリ株式会社のロボットトラクターで最大1,000mの無線通信による遠隔制御および自動運転を実施し、長いも栽培の模擬的な作業を行いました。その結果、これまで課題となっていたロボットトラクターの遠隔監視・制御に係る通信距離の不足や映像の遅延は発生せずに円滑に作業を行うことができ、大規模圃場での農作業の自動化・省力化に向けた第一歩となりました。

850MHz帯Wi-Fi HaLowを活用したロボットトラクターの遠隔監視・制御の実証風景

【背景】

十勝地域をはじめとする大規模畑作地帯では、農家の担い手不足や高齢化を背景に、ロボットトラクターなどによる農作業の自動化・省力化が求められています。一方、広大な圃場でロボットトラクターを遠隔から監視・制御するためには、長距離でも安定して映像を伝送できる無線通信が欠かせません。これまで920MHz帯Wi-Fi HaLowの活用が期待されていましたが、電波法令上の送信時間の制限(注4)により、連続した映像の伝送に課題がありました。

【実証概要】

十勝地域の大規模畑作圃場において、850MHz帯Wi-Fi HaLowを活用し、ロボットトラクターの遠隔監視・制御に必要な通信性能を確保できるかを検証しました。850MHz帯Wi-Fi HaLowでは送信時間の制限が解消され、長距離でも安定した映像の伝送が可能となります。

【実証内容】

1.     距離及び通信性能試験の実施

Morse Micro製の無線通信の評価キット「MM8108-EKH01」を用いて、圃場におけるスループットと通信距離の関係を測定しました。

通信距離について、十勝地域のような大規模畑作の圃場では一辺が500mを超えることもあるため、ロボットトラクターとコントローラ間の通信距離を最大1,000mまで拡大した場合の通信性能について検証しました。

2.     Wi-Fi HaLowの通信性能評価と、ロボットトラクターによる長いも栽培の作業性評価

ロボットトラクターにMM8108-EKH01を搭載し、850MHz帯Wi-Fi HaLowを介した遠隔監視・制御および自動運転により作業を行いました。

その結果、これまで課題となっていた通信距離の不足や映像の遅延は発生せず、連続した映像の伝送を確認できました。 

評価機材とロボットトラクター

【各者の役割】

·JA帯広かわにし:実証事業の代表機関

·NEC:実証の取りまとめ、通信システムの構築・評価など

·NECネッツエスアイ:850MHz帯Wi-Fi Halow の通信性能測定・評価

·Morse Micro:850MHz帯Wi-Fi HaLowに関する技術支援

【今後の展開】

今後、地域社会DX推進パッケージ事業を通して、850MHz帯Wi-Fi HaLowを活用した複数台のロボットトラクターの同時運用や、AIを活用した作業監視への適用などを検討し、大規模畑作圃場におけるスマート農業の社会実装と農業の担い手不足の解決に貢献していきます。

以上

注1:Wi-Fi HaLow:IEEE 802.11ahに準拠した、1GHz未満の周波数帯(本実証では850MHz帯)を利用する無線LAN規格。長距離通信と低消費電力が特長。

※Wi-Fi HaLowは、Wi-Fi Allianceの商標です。その他、記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

注2:地域社会DX推進パッケージ事業

実証事業(先進的通信システム活用タイプ):総務省が実施する、デジタル技術を活用した地域課題解決の取組を総合的に支援する「地域社会DX推進パッケージ事業」の一環として、先進的ソリューションの実用化に向けた社会実証を支援する『実証事業』

総務省|ICT利活用の促進|地域社会DX推進パッケージ事業

注3:NEC調べ(2026年10月23日時点)

 注4:920MHz帯Wi-Fi HaLowでは、電波を放射する時間を1時間あたり360秒以内とされています(Duty制限)

NEXT

続きを読む

国内初、850MHz帯Wi-Fi HaLowを活用したロボットトラクターの無線遠隔監視・制御の実証に成功スマート農業 次の記事 RUFU AI、「確認ページ」機能をリリース、AIが作った成果物のチェック作業を大幅に効率化 RUFU株式会社(東京都渋谷区、代表取締役CEO:黒岩大輝、以下、弊社)は、EC業務代行AIエージェント「RUFU AI」の新機能「確認ページ…

この記事を読む