埼玉県熊谷市で国内最大規模の営農型太陽光発電所が稼働!
2026年4月1日、埼玉県熊谷市に新たな農業の形を示す「リエネソーラーファーム熊谷太陽光発電所」が運転を開始しました。この発電所は、麦の圃場(ほじょう)としては国内最大規模となる約4ヘクタールの広さを持ち、東急不動産株式会社と埼玉福興株式会社が共同で開発しました。
「営農型太陽光発電」とは、太陽光パネルの下で農作物を育てることで、農業と発電を両立させる取り組みです。別名「ソーラーシェアリング」とも呼ばれ、再生可能エネルギーの導入拡大と、農業が抱える課題の解決を同時に目指す画期的な方法として注目されています。

どんな課題を解決するの?何が新しいの?
今回の「リエネソーラーファーム熊谷」は、地域の農業が抱える複数の課題を解決するヒントが詰まっています。
1. 農地の効率化と保全
熊谷市の一部の地域では、後継者不足から耕作放棄地が増え、細かく分散した農地の管理が難しいという声がありました。このプロジェクトでは、35筆(約4ヘクタール)もの分散していた農地を一つにまとめ、大きな区画に整備しました。

これにより、大型の農業機械がスムーズに使えるようになり、農作業の効率がぐっと向上。生産性のアップにもつながります。耕作放棄地の増加に歯止めをかけ、大切な農地を守る効果も期待できますね。
2. 農業経営の安定化
営農型太陽光発電で発電した電力は、東急不動産が保有するオフィスビルや商業施設に供給されます(オフサイトPPA:遠隔地にある発電所から電力供給を受ける契約)。この売電収入の一部は、農業を担う埼玉福興に「営農協力金」として還元されるほか、地域の自治会費としても納められます。
これにより、農業経営の安定化だけでなく、地域社会の活性化にも貢献。農業の新たな収益源となり、不安定になりがちな農業経営を支える力になります。
3. 食料とエネルギーの自給率向上
日本は食料もエネルギーも海外からの輸入に頼る部分が大きいのが現状です。営農型太陽光発電は、太陽光パネルの下で麦を育てながら、同時にクリーンな電力も生み出します。この「リエネソーラーファーム熊谷」では、パネルの下でも麦が十分に育つ「藤棚式」を採用しており、農業機械の作業空間も確保されています。
導入や活用のイメージは?
「リエネソーラーファーム熊谷」は、麦作りの現場で実際に役立つ工夫がされています。
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対象作物: 麦
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発電出力: DC2,625kW/AC1,990kW
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方式: 藤棚式太陽光発電(パネルが高所に設置され、下で農業機械が作業できるタイプ)
大型の農業機械がパネルの下を通れる設計になっているため、普段の農作業に大きな支障をきたすことなく、発電事業と両立できます。発電した電力は、地域の電力需要を賄うことにも貢献し、持続可能な地域づくりを後押しします。
農福連携で、誰もが活躍できる農業へ
このプロジェクトでは、埼玉福興株式会社が推進する「農福連携」モデルも組み合わされています。埼玉福興は、「福祉」と「農業」を融合させ、障がい者や就労が難しい方々が農業を通じて社会参加できる場を提供しています。
公式サイト:http://saitamafukko.com/
営農型太陽光発電という新しい仕組みと農福連携が結びつくことで、地域農業の持続可能性を高め、誰もが活躍できる社会の実現を目指しています。
導入コストや支援制度は?
本プロジェクトは東急不動産と埼玉福興が共同で開発した大規模な事例です。個別の導入コストや支援制度の条件、入手・申込方法については、このプレスリリースには具体的な情報がありません。
営農型太陽光発電の導入を検討されている生産者の方々は、各自治体や国の農業関連機関が提供する補助金制度や相談窓口などを確認することをおすすめします。
東急不動産の再生可能エネルギー事業「ReENE」
東急不動産は、「ReENE(リエネ)」という事業ブランドのもと、全国で再生可能エネルギー事業を展開しています。開発中のものも含め、全国で173件、合計2,082MW(2026年6月末時点)もの発電所を手掛けています。

東急不動産は、脱炭素社会の実現と食料自給率の向上という二つの大きな社会課題を解決するため、今後も再生可能エネルギーの導入促進と農業分野への貢献を続けていく方針です。
ReENEホームページ:https://tokyu-reene.com/
東急不動産ホールディングス「GROUP VISION 2030」:https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/group-vision-2030/
東急不動産ホールディングス「中期経営計画2030」:https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/ir/mgtpolicy/mid-term-plan/
まとめ
「リエネソーラーファーム熊谷」は、単なる発電所ではなく、耕作放棄地問題、農業経営の安定化、食料・エネルギー自給率、そして地域コミュニティの持続可能性といった、日本の農業が抱える様々な課題に対し、具体的な解決策を提示するモデルケースと言えるでしょう。このような取り組みが全国に広がることで、日本の農業がさらに力強く、持続可能なものになっていくことが期待されます。





