富士見町が直面していた課題
富士見町では、高齢化や後継者不足により、農地の維持管理や次世代への継承が大きな課題となっていました。特に八ヶ岳山麓に広がる農地は傾斜地が多く、草刈りなどの管理負担も大きいため、「遊休農地」(耕作されずに放置されている農地)が増える一因になっていたのです。
一方で、移住者や新たに農業を始めたい方(新規就農希望者)、そして農業法人など、農地を必要とする「担い手」(農業の主要な働き手)からの相談は増え続けていました。しかし、これまでの農地に関する情報は農業委員会や町役場で個別に管理されており、貸したい人と借りたい人をスムーズにつなぐ仕組みが十分ではありませんでした。

「農地マッチング」で何が変わる?
こうした課題を解決するために始まったのが、富士見町の「農地マッチング」です。この取り組みでは、農業委員会を中心に、「集落支援員」(地域住民の生活課題解決を支援する町の職員)と町が連携。農地の相談受付から、実際に農地が使われるまでのマッチング、そしてその後のフォローまでを一体的に支援する新しい仕組みが導入されました。
富士見町「農地マッチング」の具体的な特徴
富士見町の農地マッチングは、単に農地情報を公開するだけではありません。地域を熟知した専門家が連携し、一人ひとりの希望や地域の実情に合わせたきめ細やかなマッチングと、長く続く支援を目指しているのが大きなポイントです。
- 地域を知る人がつなぐ、きめ細かなサポート
農業委員会が中心となり、「農地利用最適化推進委員」(農業委員会の活動を支え、農地の利用調整を現場で行う人)や農業委員、集落支援員、そして町役場が協力して、相談から現地確認、農地情報の整理、マッチングまでを行います。地域の農地や所有者の状況をよく知る人々が関わることで、地図や台帳だけではわからない細かな地域事情も考慮に入れ、利用者の希望にぴったりの農地を見つけ出すことを目指しています。

- 利用者の目的や経験に応じた農地を提案
登録されている農地は、家庭菜園のような小規模なものから、本格的な農業経営に使えるまとまった広さのものまで多岐にわたります。そのため、新規就農を目指す方には始めやすい規模の農地を、農業法人には経営規模に合わせた農地を紹介するなど、それぞれの目的や経験に合わせた提案が可能です。
さらに、マッチングが成立した後も、地域との関係づくりや農地の管理方法に関する相談など、継続的な支援が受けられるため、安心して農業に取り組むことができます。

利用したい人はどうすればいい?
農地を借りたい方(移住者、新規就農希望者、農業法人、一般耕作者など)も、農地を貸したい方も、まずは富士見町 産業課 農政係(農業委員会事務局)へ相談してみましょう。専門家が親身になって話を聞き、それぞれの状況に合わせたサポートをしてくれます。
《 本件に関するお問い合わせ先 》
富士見町 産業課 農政係(農業委員会事務局)
TEL:0266-62-9234
E-mail:sangyou@town.fujimi.lg.jp
今後の展望
開始から3ヶ月で借受希望が10件と、想定を上回る反響がある一方で、貸付希望農地はまだ十分とは言えない状況です。富士見町では、この取り組みをさらに広く周知し、農地を貸したいと考える農地所有者からの相談を増やすことで、遊休農地の発生を抑え、地域農業の担い手を確保していく方針です。
今後は、町民が主体となって運営する協働農園プログラム「Fujimi Farming Club」とも連携する予定です。これにより、移住者の家庭菜園や小規模な農業を希望する方々への受け皿を広げ、行政によるマッチング支援だけでなく、多様な「農」との関わり方を支えることで、地域農業の担い手の裾野を広げていくことが期待されます。
富士見町について
長野県富士見町は、八ヶ岳と南アルプスに囲まれた、標高900m~1,400mに広がる高原の町です。「空の恵みが届く町」をブランドに掲げ、この土地ならではの豊かな自然や暮らし、産業の魅力を発信しています。
今回の農地マッチングも、富士見町の冷涼な気候という地域資源を最大限に活かし、地域の農地を未来へとつなぐことで、持続可能な地域づくりを目指す重要な取り組みの一つです。
「空の恵みが届く町」WEBサイト:https://town-fujimi-soranomegumi.jp/

富士見町の農地マッチングは、農地を有効活用したい方、新たに農業に挑戦したい方にとって、心強い味方となるでしょう。この機会に、富士見町の豊かな大地で新しい農業の可能性を探してみてはいかがでしょうか。





