地域に眠る「食の経済圏」を掘り起こす新プロジェクト
『L-ガストロノミー』プロジェクトは、地域の食文化を大切にしながら、お金が地域内でしっかり循環する仕組みを作ることを目指しています。
具体的には、「GIS(地理情報システム)」という、位置や空間に関する情報を電子地図上で管理・分析・可視化する技術と、各種統計データを活用します。これにより、地域にどんな資源があり、人々が何をどこでどれくらい消費しているのかを「見える化」できるのが大きな特徴です。これまで勘や経験に頼りがちだった部分をデータで裏付け、生産者の皆さんがより効果的な生産計画を立てたり、販路を広げたりするヒントが得られます。

プロジェクトの公式サイトはこちらです。
L-Gastronomy | 地域内経済循環×ガストロノミー
なぜ今、「食の経済圏」を見直す必要があるのか?
実は、多くの地域で、皆さんが稼いだお金の多くが、食費として地域外に流出してしまっているのが現状です。例えば、人口3万人の自治体では、年間で50億〜70億円もの食費が地域外へ流出していると推計されています。大手スーパーや輸入食材に頼る食生活が広がる中で、知らず知らずのうちに、地域のお金が外へ出て行ってしまっているのです。

この状況は、生産者の皆さんにとっても大きな課題です。地域内で需要が生まれにくくなり、価格競争に巻き込まれたり、安定した販路を見つけにくくなったりすることがあります。また、食料の多くを輸入に頼る現状は、いつ何が起こるか分からない現代において、持続可能性の面でも不安があります。だからこそ、地域の食を起点に、お金と仕事が地域内で循環する「食の経済圏」を再構築することが、今、求められているのです。
『L-ガストロノミー』プロジェクトで何が変わる?4つのステップ
このプロジェクトは、皆さんの地域で「食の経済圏」を取り戻すために、大きく4つのステップで進められます。
1. 消費行動をデータで可視化
まず、地域の皆さんが「何を」「どこで」「どれくらい」消費しているのかをデータで徹底的に分析します。家計消費や観光客の消費、さらには地域の事業者へのヒアリングを通じて、食料品や生鮮品など、品目ごとに地域内の需要を明確にします。これにより、生産者の皆さんは、「この地域では、こんな作物が求められているんだな」「この品目なら、もっと生産量を増やせるかもしれない」といった具体的なヒントを得られるでしょう。

2. 出口戦略づくり
次に、ステップ1で見えてきた「地域内で需要があるのに、遠くから調達している品目」を特定し、それを地域内で生産に切り替えるための計画を立てます。消費データと、農地の位置や面積、利用状況を組み合わせたGISデータを活用することで、どこで何をどれくらい作れば良いか、具体的な生産計画を立てるサポートを行います。これにより、生産者の皆さんは、需要に基づいた安定的な生産と販路の確保が期待できます。
3. 共同研究の活用
このプロジェクトでは、山形大学名誉教授の浦川 修司氏と共同研究を進めます。浦川氏は、ユネスコ食文化創造都市である山形県鶴岡市で、長年「持続可能な食料自給圏」の確立に取り組んできた専門家です。生産性向上や耕作放棄地の活用、さらには土壌改善や飼料調達の経済効果分析、景観に配慮した農地整備など、多角的な視点から、皆さんの地域に根ざした総合的な戦略を共に考えていきます。学術的な知見が、実際の農業現場で役立つ形で提供されるでしょう。

浦川名誉教授は、特に以下の3つの連携を推進されています。
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耕畜連携: 耕作農家と畜産農家が連携し、堆肥や飼料をやり取りしながら、地域に適した農畜産物を生産します。
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農工連携: 生産された農産物を加工する際、農業者と加工業者が連携して、地域の特性を活かした加工食品を製造します。
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工商連携: 加工業者とスーパーマーケットなどの小売店が連携し、地域で作られた加工食品を地域内で販売していきます。
これらの連携により、生産者の皆さんは新たな販路や加工による高付加価値化の機会を得られるでしょう。
4. 「循環型農村経済圏」の仕組みづくり
最後のステップは、生産者、加工業者、小売事業者、飲食店、宿泊事業者、そして消費者や地域住民の皆さんが一体となり、地域内でお金と仕事が循環する「持続可能な循環型農村経済圏」を築くことです。多様な主体がそれぞれの役割を持ちながら連携することで、地域全体の活力が向上し、生産者の皆さんの努力がより報われる仕組みが生まれます。

生産者にとっての具体的なメリットと参加への道筋
このプロジェクトを通じて、生産者の皆さんは、地域内での安定した販路確保、高付加価値化された製品の開発、耕作放棄地の有効活用、そして何よりも地域経済への貢献という大きなメリットを享受できるでしょう。地域で生産されたものが地域内で消費されることは、食の安全保障にもつながります。
株式会社地域科学研究所の西田 稔彦氏は、「食」を起点に地域経済の循環力を高めることの重要性を強調しています。地元の商店や直売所(ローカルプレイス)を強化することで、地域内で回すお金を増やし、地方の「自立」を進めることができると考えています。

このプロジェクトは、まずは地方自治体が主体となって導入を進めるモデルです。生産者や農業関連事業者の皆さんが直接参加するというよりは、地域の自治体が本プロジェクトに関心を持ち、導入することで、皆さんのビジネスに新たな機会が生まれることが期待されます。
株式会社地域科学研究所は、8月下旬に全国の地方自治体を対象とした『L-ガストロノミー』プロジェクト実践報告会を実施します。ご自身の地域でこのプロジェクトがどのように展開されるか、ご興味のある方は、ぜひ地域の担当課に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
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『L-ガストロノミー』プロジェクト実践報告会について
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タイトル: 地域内経済循環を高める『L-ガストロノミー』プロジェクト
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開催方法: 大分市内会場およびZoom配信を併用
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主催: 株式会社 地域科学研究所
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募集対象者: 地方自治体(企画課、まちづくり課、商工観光課、農政課ご担当者様)、農村RMO 他
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応募方法: こちらからお申込みください
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地域の食の未来を共に創る
『L-ガストロノミー』プロジェクトは、地域の食と文化の価値を未来へつなぎ、それが地域経済の活力となる「おいしい」地域づくりを目指しています。生産者の皆さんの力が、地域の未来を豊かにする鍵となるでしょう。
株式会社地域科学研究所は、GISやAIを活用し、250以上の自治体と連携して地域課題の解決に取り組んできた実績があります。皆さんの地域の持続可能な未来のために、このプロジェクトが大きな一歩となることを期待しましょう。
株式会社地域科学研究所の詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。
株式会社 地域科学研究所





