地域農業

食料と競合しない「ジャトロファ」がアフリカの農業を変える!モザンビークで進むバイオ燃料事業と地域振興

食料と競合しない「ジャトロファ」がアフリカの農業を変える!モザンビークで進むバイオ燃料事業と地域振興

ジャトロファとは?乾燥地で育つ「未来の作物」

「ジャトロファ」は、乾燥した土地や半乾燥地でも育つことができる、とてもたくましい植物です。特徴は、その種子から油が採れること。この油はバイオ燃料の原料として利用でき、食料ではないため、食料作物と土地や資源を取り合う心配がありません。世界中で脱炭素化が求められる中で、持続可能なバイオ燃料の原料として国際的にも大きな期待が寄せられています。

NBFは20年以上にわたり、モザンビークやガーナといったアフリカの国々で、ジャトロファの優良品種の開発や、安定して栽培するための技術確立に取り組んできました。

モザンビークでの「ジャトロファフェスティバル」の熱気

2026年7月10日、モザンビークのナンプラ州モナポ郡で「第1回ジャトロファフェスティバル」が開催されました。このイベントには、モナポ郡内の各地域から562名もの農家リーダーが集結。さらに、ナンプラ州政府やモナポ郡政府、農業研究機関、国際機関、そして現地メディアも多数参加し、その関心の高さを示しました。

モザンビークで開催されたメンタルヘルス意識向上週間イベントの様子です。屋根付きの会場に多くの人々が集まり、緑のTシャツを着用しています。中央ではパフォーマンスが行われ、観客が熱心に見守っています。

フェスティバルでは、ジャトロファの栽培方法や管理のコツだけでなく、収穫した種子の買い取り価格や、農家から種子を集めるためのネットワークの仕組みについても、具体的な説明がありました。参加した農家リーダーたちからは活発な質問が飛び交い、この新しい農業モデルへの期待と関心の高さがうかがえました。

緑色のシャツを着た人々が大勢集まり、屋外または半屋外の会場でイベントや会議に参加している様子です。多様な年齢層の観衆が見られます。

官民連携と地域一体の交流で信頼を深める

今回のフェスティバルは、持続可能な燃料調達とアフリカ開発という意義に賛同する多くの企業や公的機関の協力によって実現しました。協賛企業には、株式会社ビィ・フォアード(中古車輸出大手)、MOL (Europe Africa) Ltd.(海運大手・商船三井グループ)、Afritool Mozambique(農業資材販売大手、Honda製品モザンビーク正規代理店)といったグローバル企業が名を連ねています。

協力機関としては、ナンプラ州農業・漁業局、モナポ郡政府、モナポ市が参加し、官民一体となってこの取り組みを支えています。会場では、地元の人気アーティストによる音楽ライブや伝統舞踊も披露され、地域コミュニティが一体となった祝祭ムードの中で、参加者間の信頼関係がより一層深められました。

屋根付きの広い場所で人々が集まり、パフォーマンスが行われている様子です。中央では女性が頭に鉢を乗せており、多くの観客が緑色のシャツを着て座っています。開放的な空間で、地域のイベントか集まりのようです。

緑のTシャツを着た人々が大勢集まる屋内のイベント会場の様子。2023年のジャトロファ祭りと関連する集会で、テーブルには農産物のようなものが並べられている。

今後の展望:農家の収入向上と持続可能なエネルギー供給へ

NBFとADMは、今回のフェスティバルで築かれた地域社会との信頼関係を基盤に、契約農家の登録と育成を加速させていく方針です。2029年までには、モナポ郡内で1万ヘクタール規模のジャトロファ契約栽培と種子調達体制の確立を目指しています。

これにより、ジャトロファの安定的な種子買い取りを通じて、小規模農家の収入向上と雇用創出を推進し、地域コミュニティの持続的な発展に貢献することが期待されます。同時に、温室効果ガス(GHG)削減に役立つバイオ燃料の安定供給基盤も構築していくとのことです。

日本の農業関連事業者への示唆

今回のモザンビークでの取り組みは、日本の生産者や農業関連事業者の皆さんにとっても、国際的な視点での持続可能な農業モデルの構築事例として非常に興味深いのではないでしょうか。

NBFは、ジャトロファを活用したバイオ燃料事業だけでなく、炭素除去事業も展開しています。独自の遺伝資源や育種技術、そして現地のオペレーション力を強みに、アフリカでの原料栽培から、脱炭素を目指す国内外の産業・船舶分野へのクリーン燃料供給までを一貫して手がけています。

食料安全保障とエネルギー安全保障、そして地球環境問題という複数の課題を同時に解決しようとするジャトロファ事業は、これからの農業が目指すべき方向性の一つを示していると言えるでしょう。日本の農業関連事業者の皆さんも、このような国際的な取り組みに目を向け、新たなビジネスチャンスや協力の可能性を探ってみるのも良いかもしれません。

日本植物燃料株式会社の詳しい情報はこちらをご覧ください。

食料生産と競合しない作物を活用した地域振興とエネルギー供給。これは、まさに「現場で役立つ実用性」と「導入や活用のイメージが具体的に湧く」新しい農業の形ではないでしょうか。

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