スマート農業

全農と「きゅうりトマトなすび」がタッグ!AIで施設園芸の生育調査を自動化、「ノウノウビジョン」本格運用開始

「ノウノウビジョン」って何?

「ノウノウビジョン」は、カメラで撮影した圃場内の映像を、CTE独自のAI(人工知能:コンピュータが人間のように学習・判断する技術)が解析するサービスです。茎葉、花、果実などを認識し、植物を3Dデータとしてデジタル空間に再現(デジタルツイン:現実世界をデジタル空間に再現し、シミュレーションや分析を行う技術)します。これにより、温室全体や個々の作物の状態を、Webブラウザ(インターネット閲覧ソフト)上で詳しく確認できるようになります。

具体的には、植物の長さや太さ、花や果実の数、葉の面積といった生育情報を、これまでのように手作業で測るのではなく、自動で定量的に取得できるようになります。

なぜ今、この技術が必要なの?

施設園芸では、温湿度やCO₂、日射量といった環境データの取得や管理は進んでいます。しかし、その環境が作物にどう影響しているかを示す「生育データ」は、依然として人の手による調査や目視観察に頼る部分が多く残っていました。

植物の伸び具合や茎の太さ、葉の面積、開花・着果の状況などを詳細に把握するには、多くの時間と手間がかかります。そのため、調査できる株の数や頻度、項目には限界があり、圃場全体の生育状況や個体ごとのばらつきを十分に把握することが難しいという課題がありました。また、取得した環境データと実際の作物の反応を結びつけて分析する上でも、生育データの不足がネックになっていたのです。

「ノウノウビジョン」は、こうした現場の課題を解決し、大規模かつ継続的に作物の生育データを取得・活用することを可能にします。

導入するとどんないいことがあるの?

「ノウノウビジョン」の導入によって、次のような効果が期待されます。

  • 生育調査作業の省力化: 人手による手間が大幅に削減されます。

  • 調査対象株数・取得情報量の拡大: これまで難しかった多くの株や詳細な情報を得られるようになります。

  • 圃場全体の生育状況や個体差の可視化: どこに生育のばらつきがあるか、時系列でどう変化しているかが一目でわかります。

  • データに基づく栽培管理・研究の高度化: 経験や勘だけでなく、明確なデータに基づいて栽培方法を改善したり、新しい技術を開発したりできます。

  • 生育異常の早期把握: 病気や生育の遅れなどの異変をいち早く発見し、対策を打つことができます。

  • 収量予測精度の向上: 将来の収穫量をより正確に予測し、販売計画などに役立てられます。

3Dモデルとデータ表示画面

「ノウノウシリーズ」で農業経営をまるごとサポート

「ノウノウビジョン」は、CTEが提供する農業特化型AIエージェントサービス群「ノウノウシリーズ」の一部です。現実世界の農場や作物の状態をデータとして取得する「センシング・状態認識」の役割を担います。

取得された作物データは、栽培計画、営農記録、作業状況、資材・在庫管理、販売、経営など、農業経営に関わるさまざまな情報と連携されます。これにより、「圃場で起きた変化」をその後の業務や意思決定にスムーズにつなげられるようになります。

例えば、次のような活用が考えられます。

  • 生育の遅れや異常の兆候を検知し、適切な管理作業に繋げる。

  • 実施した作業の記録と、その後の生育変化を比較して効果を検証する。

  • 生育状況から将来の収穫量を予測し、販売や出荷計画に反映する。

  • 作物の状態、環境、作業、投入資材などを総合的に分析し、栽培結果を深く理解する。

CTEは今後、生育データ取得のさらなる自動化や情報量の拡大、データ活用の高度化を進めていくとのことです。将来的には、病害虫の検知、収穫時期や収穫量の予測などへの応用も期待されています。データとAIが農業者の経験や知見を拡張し、「観測する」→「状態を理解する」→「将来を予測する」→「意思決定する」→「現実世界へ反映する」という一連のサイクルを農業デジタルツイン上で実現する、次世代の農業基盤の社会実装を目指しています。

導入についてのお問い合わせ先

本技術の導入コストや対象作物、支援制度の条件、具体的な入手・申込方法など、詳細については直接お問い合わせください。

  • JA全農 営農・技術センター 施設園芸研究室
    担当:小林

  • 株式会社きゅうりトマトなすび
    Email:info@cte-agri.com
    担当:佐々木

株式会社きゅうりトマトなすびについて

株式会社きゅうりトマトなすびは、一次産業や食の現場に特化し、最先端のデータサイエンス技術を社会に実装する東京大学発の農業AIスタートアップです。デジタルツイン農業基盤や農業特化型AIエージェントを通じて、農業現場のデジタル化を起点とした食と農業のバリューチェーン全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。