「硬い桃」が拓く新たな可能性
桃の旬といえば、多くの方が7月から8月を思い浮かべるかもしれません。しかし、岐阜県高山市の合同会社つむぎ果樹園が手掛ける「飛騨のたからももツアー」では、9月に旬を迎える「硬くて甘い桃」の魅力を発信しています。この「硬い桃」は、「まだ熟していないから甘くない」という従来のイメージを覆し、完熟しても硬い食感としっかりとした甘みを両立しています。
晩生品種(ばんせいひんしゅ)と呼ばれる収穫時期の遅い品種を導入することで、桃の出荷期間を9月まで延長できる可能性が広がります。これにより、生産者にとっては桃の供給期間を長く保ち、市場への安定供給に繋がる新しい選択肢となるでしょう。

「飛騨のたからももツアー」から学ぶ、地域ブランドとファンづくり
「飛騨のたからももツアー」は、単なる収穫体験に留まりません。参加者は農家から直接、美味しい桃の見分け方や収穫のコツを教わりながら、自分の手で桃を収穫します。さらに、複数品種の「硬い桃」を食べ比べることで、食感や甘み、香りといった品種ごとの個性を体感できます。
このような体験型のイベントは、消費者と生産者が直接交流する貴重な機会を提供します。生産者のこだわりや桃づくりの背景を伝えることで、消費者の理解を深め、地域ブランド「飛騨のたからもも」のファンを増やすことに貢献しています。

「飛騨のたからもも」は、岐阜県飛騨地方の昼夜の寒暖差と豊富な日照という自然環境と、農家の丁寧な手仕事によって育まれるブランド桃です。2019年のブランド化以来、累計20万玉以上を全国に届けており、地域ブランド構築の成功事例としても注目されています。
つむぎ果樹園・前坂氏の想いと、生産者の皆様へのメッセージ
合同会社つむぎ果樹園の前坂治臣さんは、「硬い桃を食べたことがない方はまだ多く、“硬い=未熟で甘くない”と思われることもあります。でも実際には、完熟しても硬く、それでいてしっかり甘い品種があります」と語ります。お客様からの「硬い桃はありませんか?」という声が、栽培を始めたきっかけの一つだったそうです。

前坂さんは、「やわらかい桃も硬い桃も、それぞれに良さがあります。今回のイベントを通して硬い桃のおいしさを知り、自分の好きな桃を見つけてもらえたらうれしいです」と、桃の多様な魅力を伝えたいという強い想いを持っています。この言葉からは、消費者ニーズに応え、新たな価値を創造しようとする生産者の姿勢が伺えます。
ツアー参加で得られる実践的なヒント
今回の「飛騨のたからももツアー」は、生産者や就農者の皆様にとっても、非常に有益な機会となるでしょう。直接的な栽培技術の講習や導入コストに関する情報提供はありませんが、新しい品種「硬い桃」の市場性や、体験型イベントを通じた地域ブランドの育成、消費者との関係構築について、実践的なヒントを得ることができます。
特に、桃の晩生品種に関心がある方、既存の桃の販売戦略に新しい視点を取り入れたい方には、大きな学びがあるかもしれません。
イベント概要と参加方法
今年最後の「飛騨のたからももツアー」となる「硬い桃 収穫体験&希少品種 食べ比べ」は、以下の通り開催されます。
-
イベント名: 飛騨のたからももツアー 第3回 硬い桃 収穫体験&希少品種 食べ比べ
-
開催日: 2026年9月26日(土)
-
時間: 9:00〜11:00(受付 8:45〜)
-
会場・集合場所: 農園キッチン kirin(岐阜県高山市国府町上広瀬1294-1)
-
内容: 硬い桃の収穫体験、つむぎ果樹園 前坂氏による桃づくりの話、桃に関するレクリエーション、硬い桃の食べ比べ
-
参加費: 大人(高校生以上)2,500円、小中学生 1,500円
-
定員: 30名弱
-
持ち物: スリッパ、タオル、飲み物、帽子、雨具(雨天時)
-
備考: 農園での作業体験は30分程度を予定しており、その他のプログラムは屋内で実施されます。
-
主催: 株式会社ヒダカラ、合同会社つむぎ果樹園
本ツアーの詳細や申し込みについては、以下のリンクからご確認ください。
「硬い桃」という新たな切り口で、桃の可能性を広げ、地域農業を活性化させるこの取り組みは、きっと多くの生産者にとって、今後の農業経営を考える上で貴重な示唆を与えてくれるでしょう。




