地域農業

ビジネスだけでは難しい課題に非営利で挑む!タイ小規模農家の有機栽培移行を支える「プレオーガニック支援プログラム」アイデア共有会が初公開

「非営利事業」という新しい選択肢

商品やサービスの対価を得ながら社会課題を解決する「ソーシャルビジネス」は広く知られていますが、中には受益者から十分な対価を得ることが難しかったり、成果が出るまでに長い時間が必要だったりする課題もあります。このような課題に対して、ビジネスの枠だけでは届きにくい解決策として注目されているのが「非営利事業」です。

非営利事業とは、利益の分配を目的とせず、社会課題の解決を最優先に活動する事業のこと。寄付や企業との連携、専門家の知見などを組み合わせることで、必要な仕組みを継続的に運営していきます。ボーダレスファウンデーションは、ソーシャルビジネスの知見を活かしつつ、この非営利事業という方法で、より幅広い課題解決を目指しています。

タイの小規模農家が直面する現実

タイの小規模農家の多くは、農薬や化学肥料の価格高騰に苦しむ一方で、収穫物の販売価格を自分たちで決めにくいという状況にあります。このため、農業を続けても手元に十分な所得が残らないという厳しい現実があります。

もし、農薬や化学肥料への依存を減らし、有機栽培に移行できれば、外部からの資材購入費を抑え、農家の所得を増やす可能性が広がります。さらに、土を育てる栽培方法への転換は、土壌環境の改善や持続可能な農業にもつながると期待されています。

有機栽培移行のリスクを社会で支える「プレオーガニック支援プログラム」

しかし、有機栽培への移行は簡単なことではありません。土地や作物に合った新しい栽培技術の習得が必要な上、土の状態が整うまでの期間は収量が一時的に減ってしまう可能性があります。日々の生活に余裕のない小規模農家にとって、この移行期の負担は大きなリスクとなります。

そこでボーダレスファウンデーションが構想しているのが、「プレオーガニック支援プログラム」です。このプログラムでは、農業技術の指導、移行初期に必要な資材の支援、収量減少期間の所得補填、そして収穫後の販売先の確保などを組み合わせることで、有機栽培への移行リスクを農家だけに負わせない仕組みを検討しています。

目標は、単に有機栽培へ転換することだけではありません。小規模農家の所得を増やし、農業が安定した暮らしにつながる状態をつくること。そして、その営みが土壌や環境の改善にも結びつくことを目指しています。まずはタイで小規模な実証を行い、所得と環境の変化、そして支援の実現可能性を確かめる計画です。この内容は現時点の構想・仮説であり、今後の調査や協議によって変更される可能性があります。

完成前のアイデアを共有する意義

今回の共有会で紹介されるのは、完成した事業計画や成功事例ではありません。まだプランニング段階に入る前の構想です。ボーダレスファウンデーションは、新しい非営利事業のアイデアを共有し、多様な視点や知恵を取り入れることで、社会課題への取り組みを育てたいと考えています。

このイベントの目的は、寄付や協力を募ることだけではありません。問題を知り、一緒に考え、周囲に伝え、必要な情報や人をつなぎ、経験や専門性を活かすことも、社会課題への大切な関わり方だと考えられています。農業やタイに関する専門知識は必須ではなく、話を聞くだけの参加も歓迎されています。参加にあたって、寄付や協力を約束する必要もありません。

アイデア共有会 開催概要

  • 日時: 2026年9月24日(木)19:00〜20:00(日本時間)

  • 開催方法: オンライン

  • 参加費: 無料

  • 参加対象: どなたでもご参加いただけます

  • 登壇者: 田口一成(NPO法人ボーダレスファウンデーション代表理事/株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役CEO)

  • 主催: NPO法人ボーダレスファウンデーション

  • 申込: https://peatix.com/event/5185271

オンライン参加用の情報は、申し込み後に案内されます。

NPO法人ボーダレスファウンデーションについて

NPO法人ボーダレスファウンデーションは、2024年12月24日に設立されました。ビジネスや既存制度だけでは解決が進まない社会課題に対し、新しい非営利事業を構想し、立ち上げ、社会に実装することを目指しています。課題を知り、調べ、解決方法を考え、試し、改善していくプロセスを社会に開示しながら、さまざまな人や企業とともに社会課題の解決に取り組んでいます。