地域農業

赤村で育む「赤とんぼ米」の挑戦:化学合成農薬不使用の米づくりと地域農業の未来

赤村の地で育まれる「赤とんぼ米」の挑戦:持続可能な米づくりが示す地域農業の未来

2026年9月6日、福岡県赤村にて「赤村の稲刈り体験」が開催されました。このイベントは、西日本を中心に16の生協で構成される一般社団法人グリーンコープ共同体所属のグリーンコープ生活協同組合ふくおかが主催し、赤村で化学合成農薬を使用しない米づくりを行う「赤村有機農業生産組合」の生産者とともに実施されました。参加者は、実際に鎌を使った稲刈りを通して、化学合成農薬不使用の米づくりにおける生産者のやりがいや苦労を直接学ぶ貴重な機会となりました。なお、本イベントの参加申し込みは既に終了しています。

稲刈りの様子

地域に根ざした有機農業の実践者「赤村有機農業生産組合」

「赤村有機農業生産組合」は、1991年に「赤村自然といのちを考える会」として発足し、2012年に現在の名称へと改称しました。設立から30年以上にわたり、農産物を通じて地域や自然の魅力を伝え、農業・食・環境を大切にする心を育むことを目的に活動を続けています。赤村の魅力発信とともに、地域に根ざした有機農業の発展に尽力してきました。

同組合は1993年よりグリーンコープの産直米生産者として「産直赤とんぼ米」を栽培しています。一般的に多くの米栽培では、安定供給や安価な生産のために化学合成農薬が多用される傾向にあります。しかし、「赤村有機農業生産組合」では、除草剤、種子消毒、殺菌剤、殺虫剤といった化学合成農薬を一切使用せず、手間と人手をかけて米を育てています。この取り組みの背景には、「子どもたちにおいしくて安心できる米を食べてもらいたい」という生産者の強い想いがあります。

このような化学合成農薬不使用の栽培方法は、初期投資や労力が増える可能性がありますが、安全な農産物の提供と土壌環境の保全という長期的なメリットをもたらします。他の生産者にとっても、地域資源を活用し、消費者の信頼を得るためのモデルケースとなるでしょう。

グリーンコープが推進する「産直赤とんぼ米」の理念

グリーンコープでは、「赤とんぼが飛び交うような豊かな自然を再生したい」という願いを込めて、化学合成農薬を使わない、または可能な限り減らして栽培された産直米を「赤とんぼ米」と呼んでいます。この「赤とんぼ米」を選ぶことは、私たちの健康を守るだけでなく、日本の農業や環境を守ることにもつながるという考え方です。

「産直」という言葉は、生産者と消費者が直接つながり、顔の見える関係で農産物を届けることを意味します。これにより、消費者は安心感を、生産者は自身の努力が直接評価されるやりがいを感じることができます。流通コストの削減や、市場価格に左右されにくい安定した取引も期待でき、持続可能な農業経営にとって重要な要素となります。

持続可能な地域農業への示唆

「赤村有機農業生産組合」の取り組みは、食の安全と環境保全を追求する持続可能な地域農業のあり方を示しています。化学合成農薬に頼らない米づくりは、手間はかかりますが、安全でおいしい農産物を求める消費者のニーズに応え、地域の自然環境を守ることに貢献します。また、グリーンコープのような団体との連携は、生産者が安定した販路を確保し、消費者の声を聞きながら品質向上に取り組む上で大きな力となります。

地域に根ざした有機農業は、単に作物を作るだけでなく、地域の生態系を守り、次世代に豊かな自然を引き継ぐ役割も担っています。このような取り組みは、新たな就農を目指す方々や、既存の農業事業者にとっても、持続可能な農業経営のヒントとなるでしょう。

一般社団法人グリーンコープ共同体について

一般社団法人グリーンコープ共同体は、2018年に設立されました。九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島)、近畿(大阪、兵庫、滋賀)、中国(鳥取、岡山、島根、広島、山口)、そして福島の16の生協や各種団体とともに、ひとつのグリーンコープとして資源を共有し、連携しながら、それぞれの地域に根ざした生活協同組合として活動しています。「安心・安全な食べものを子どもたちに食べさせたい」という母親の想いから始まり、各地域を豊かにすることを目指しています。

詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。