地域農業

イオン、2040年までに食品リサイクル率100%達成へ!岩手県で地域循環モデルを実証

食品廃棄物ゼロを目指す、イオンの新目標

「食品廃棄のない社会」の実現に向けて、イオンが新たな大きな目標を打ち出しました。それは、2040年までに食品リサイクル率100%を目指すというものです。具体的には、食品廃棄物のうち焼却や埋め立て処分される量を限りなくゼロに近づけることを目標としています。

この目標達成のために、発生抑制(食品廃棄物を出さない工夫)をさらに進めるとともに、これまで課題だった「不可食部(食べられない部分)」を含む食品廃棄物の利活用を拡大していく計画です。最終的には、食品廃棄物を「資源」として捉え、無駄なく使い切る仕組みづくりを進めていきます。

岩手県で始まる地域循環モデルの実証事業

この壮大な目標を実現するためのモデルケースとして、岩手県内で具体的な実証事業がスタートします。これは環境省の「令和7年度補正 食品循環資源リサイクル促進モデル事業」にも採択された、国も注目する取り組みです。

どんな地域循環モデル?

岩手県内のイオングループ21店舗から排出される年間約300トンもの食品廃棄物(魚のあらを除く)が、このプロジェクトの対象です。これらの食品廃棄物は、県内の事業者によって堆肥(たいひ)へと生まれ変わります。

イオンの食品廃棄物地域循環モデル

そして、この堆肥は、イオンアグリ創造の岩手花巻農場でブロッコリーの栽培に活用されるほか、地元の農家さんでは「高EC堆肥(こうイーシーたいひ)※1」の利用可能性が検証されます。さらに、ホップやビール用大麦の露地栽培も開始される予定です。

生産者の皆さんにとっては、地域の食品廃棄物が質の良い堆肥として手に入り、それを活用して新たな作物(ホップやビール用大麦など)を育て、最終的にはイオンの店舗で商品として販売されるという、まさに「地元の恵みが地域で循環する」仕組みが構築されることになります。これは、新たな販路開拓や地域ブランドの創出にもつながる可能性を秘めています。

実証で何がわかる?

この実証事業では、単に食品廃棄物を堆肥にするだけでなく、その効果が徹底的に検証されます。具体的には、食品廃棄物の排出量の「見える化」はもちろんのこと、作られた堆肥の成分分析、土壌への影響、作物の生育や品質、さらには温室効果ガス削減効果まで評価されます。

これらのデータは、持続可能な地域循環モデルを全国47カ所へ拡大していくための貴重な知見となるでしょう。

専門用語をチェック!

  • 食品リサイクル率: 食品廃棄物のうち、堆肥化や飼料化、メタン化などによって資源として再生利用された割合のことです。

  • 不可食部: 野菜の皮や芯、果物の皮や芯、魚の骨、エビやカニの殻など、食べることができない部分を指します。

  • 高EC堆肥(こうイーシーたいひ)※1: 土壌や水中の肥料成分が濃い(電気伝導度EC値が高い)堆肥のことです。食品廃棄物から作られた堆肥は、このEC値が高くなることがあり、作物の生育不良や塩害につながる可能性があるため、利用方法の検証が重要になります。

  • 発生原単位: 小売業の場合、売上100万円あたりで発生する食品廃棄物などの量を示す指標です。

これまでの取り組みと今後の展望

イオンは2017年から、食品廃棄物の発生原単位を2025年までに2015年比で半減させる目標を掲げ、AIによる需要予測や発注・製造量の最適化などに取り組んできました。その結果、2026年5月時点では2015年比で43%削減を達成しています。目標には届かなかったものの、食品のリサイクルループは目標の10カ所を上回る13カ所まで拡大しました。

しかし、これまでの取り組みでは、発生抑制が難しい不可食部が食品廃棄物全体の約47%を占めることが分かり、発生抑制だけでは限界があることも明らかになりました。この経験から、食品廃棄物を「資源」として積極的に利活用することの重要性が再認識されたのです。

今後は、発生抑制と資源循環の両方を加速させ、食品リサイクル率を2030年までに70%、2035年までに85%、そして2040年までに100%と段階的に引き上げていく計画です。地域循環型リサイクルループも、現在の13カ所から2040年までに47カ所へと拡大を目指します。

この取り組みは、生産者の皆さんにとって、地域全体で食と農業の未来を考えるきっかけとなるはずです。食品廃棄物を減らし、資源を有効活用する新しい農業の形に、ぜひ注目してみてください。

より詳しい情報は、イオンのウェブサイトで確認できます。