佐倉市が抱える課題と「宙炭」への期待
佐倉市では、農業に携わる方の高齢化や後継者不足が進み、耕作放棄地(長い間作物が作られずに荒れてしまった土地)が増えていることが大きな課題となっています。そこで市は、耕作放棄地の対策補助事業を長年続けてきました。さらに、佐倉市は「ゼロカーボンシティ(温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す都市)」や「オーガニックビレッジ(有機農業を推進する地域)」を宣言するなど、環境に優しい農業を積極的に進めています。
耕作放棄地は、土が劣化していることが多く、作物が育つ状態に戻すには通常、とても長い時間がかかります。しかし、TOWINGが開発した「宙炭」は、この土づくりを劇的に短縮できる画期的な資材です。
「宙炭」ってどんなもの?
「宙炭」は、地域の未利用バイオマス(植物や動物由来の有機資源)を炭にした「バイオ炭」に、TOWINGが独自に選んで育てた土の微生物たちを定着させた、まさに「高機能」なバイオ炭です。これを使うことで、数年かかると言われる土壌改良が短期間で進み、化学肥料(化学的に合成された肥料)に頼りすぎず、有機質肥料(動植物由来の肥料)を中心とした栽培にスムーズに移行できるようになります。
また、宙炭のようなバイオ炭は、土の中に炭素を閉じ込めることで、空気中の二酸化炭素(CO2)を減らす効果も期待されています。これは、佐倉市が目指す持続可能な食料生産と脱炭素社会の実現にも大きく貢献するでしょう。
実証の内容と対象作物
今回の実証は、2026年7月から2027年3月まで行われます。佐倉市内の耕作放棄地に実際に宙炭を施して、どれくらいの改良効果があるかを検証します。対象となる作物は、ホウレンソウ、コマツナ、カブといった葉物野菜です。
この実証を通じて、宙炭が本当に耕作放棄地を短期間で有機栽培可能な農地に変えられるのか、その効果が詳しく調べられます。
生産者・就農者へのメリットと今後の展望
この実証が成功すれば、生産者の皆さんは、これまで手が出せなかった耕作放棄地を、手軽に、そして環境に優しい有機農地として活用できるようになります。これにより、農地の拡大や、新しい作物の栽培への挑戦がしやすくなるでしょう。また、有機栽培を始めたい新規就農者にとっても、初期の土づくりのハードルが下がり、参入しやすくなることが期待されます。
TOWINGは、「サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会を実現する」というミッションを掲げ、名古屋大学発のグリーン&アグリテックスタートアップとして活動しています。宙炭の製造・販売だけでなく、その利用量に応じたカーボンクレジット(温室効果ガス削減量を取引できる権利)の取得・販売支援や、なんと月面での農業を実現する研究開発まで手掛けています。
TOWINGに関する情報
宙炭や今回の実証、TOWINGの取り組みについてさらに詳しく知りたい方は、以下のTOWINGウェブサイトをご覧ください。
また、取材に関するお問い合わせは、以下のフォームからTOWING広報チームへご連絡ください。
この新しい技術が、日本の農業の未来をさらに明るくしてくれることに期待しましょう。




