地域農業

モンゴルの荒れた草地がカーボンクレジットに!Green Carbonとモンゴル国立大学がタッグを組む「草地再生プロジェクト」とは?

新しい挑戦!「劣化した草地」を「カーボンクレジット」に

このプロジェクトの核となるのは、「改良型草地管理(IGM)」という手法です。これは、適切な放牧管理などを行うことで、土壌の状態を改善し、土の中に炭素(土壌有機炭素:SOC)を蓄えることを目指します。土壌に炭素を多く蓄えることは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を大気中から減らすことにつながるため、その貢献が「カーボンクレジット」という形で評価されるのです。

カーボンクレジットは、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を数値化し、排出権として取引できるものです。この新しい収益源は、草地再生に取り組む地域コミュニティ、特に遊牧民の皆さんの生計向上に役立つことが期待されています。

学術と実践の連携で確かな成果を目指す

今回のMOU(覚書)締結式には、モンゴル国立大学のB. Ochirkhuyag学長やGreen Carbonの代表が出席し、協力体制を強化しました。

国際協力、会議の様子

Green Carbonは、これまでのカーボンプロジェクト開発や国際的なMRV(測定・報告・検証)の経験を活かし、プロジェクトの設計や資金調達を支援します。MRVとは、温室効果ガスの排出削減量などを「測定」「報告」「検証」する仕組みのことで、プロジェクトの透明性と信頼性を高めるために欠かせません。

一方、モンゴル国立大学は、モンゴルの草地生態系や土壌環境に関する科学的な専門知識を提供し、現地での実践をサポートします。学術的な知見と現場での実践が結びつくことで、より効果的な草地再生モデルの構築を目指します。

調印式の様子

パイロット事業から大規模な草地再生へ

この初期パイロット事業は、将来的にモンゴル全土での大規模な草地再生型カーボンプロジェクトへと発展させるための重要な一歩となります。プロジェクトの結果次第では、パリ協定第6条や二国間クレジット制度(JCM)といった国際的な枠組みを活用した展開も視野に入れています。

JCMとは、日本が途上国に優れた脱炭素技術を普及させて温室効果ガスを削減し、その削減成果をクレジットとして分け合う仕組みです。これにより、日本とモンゴル双方の削減目標達成に貢献できます。

会議、議論の様子

Green Carbonは、草地再生、大学との連携、地域住民の参加、MRV、そしてカーボンファイナンスを組み合わせた持続可能なモデルを構築することで、モンゴルの土地管理と草地再生を長期的に支援していくとのことです。

ドローン操作、フィールドワークを示唆

生産者・事業者への期待と今後の展望

この取り組みは、モンゴルの遊牧民の皆さんが、劣化した草地を再生することで、環境保全に貢献しつつ、カーボンクレジットという新たな収入源を得られる可能性を示しています。これは、世界の他の地域で同様の課題を抱える生産者や農業関連事業者にとっても、持続可能な農業経営の一つのモデルとなるでしょう。

具体的な導入コストや対象作物については、現在のところモンゴルでのパイロット事業であるため、詳細な情報はありません。しかし、このプロジェクトを通じて確立されるであろう草地管理やカーボンクレジット創出のノウハウは、将来的に他の地域でも応用できる可能性があります。

Green Carbonは、学術界と産業界の連携を強化し、草地再生や土壌炭素に関する知識共有、人材育成、共同研究を進めていくとしています。このプロジェクトの成功は、気候変動対策と地域経済の活性化を両立させる、新しい農業の形を提示してくれるはずです。


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