地域農業

インドネシアの地域農業に新風!高品質なリュウガン生産とブランド化で収益アップの可能性

インドネシアの地域農業に新風!高品質なリュウガン生産とブランド化で収益アップの可能性

2026年8月14日、スペースシードホールディングス株式会社は、インドネシアのジョグジャカルタ特別州にあるガジャマダ大学生物学部の実験圃場「サウィッ・サリ研究ステーション」を視察しました。この視察は、インドネシア国産改良品種のリュウガン(現地名:kelengkeng)「New Crystal」を中心とした、ジョグジャカルタ地域の農業を盛り上げるための取り組みの一環です。

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ガジャマダ大学生物学部では、リュウガンの栽培技術や病害虫対策の研究、生産者向けの研修を行っているほか、マンゴーやドリアンといった果樹の育種、園芸作物の研究も進められています。今回の視察では、研究の成果が実際にどのように苗や栽培、収穫物として形になっているのか、その「現場」を確認することが目的でした。

1. 良い苗づくりが、良い果実の第一歩!

果物の品質は、実は「苗」の段階で大きく決まります。視察では、リュウガンの苗を増やす方法、特に「接ぎ木(つぎき)」という技術の重要性が説明されました。

種から育てる「実生苗(みしょうなえ)」だと、親と同じ品質の果実ができなかったり、実がなるまでに時間がかかったりすることがあります。しかし、品質の良い木から枝を取って別の台木に接ぐ「接ぎ木」や「取り木(とりき)」といった「栄養繁殖(えいようはんしょく)」という方法なら、親の木と全く同じ品質の苗を早く育てることができます。これにより、収穫量や果実の品質が安定し、長期的に良い状態を保てるのです。

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つまり、高品質な産地として認められるためには、畑での栽培以前に、「どの親木から、どんな方法で苗を作るか」が非常に大切だということが、今回の視察で改めて確認されました。これは、地域全体のブランド力を高める上でも欠かせないポイントです。

2. リュウガンだけじゃない!高付加価値作物の可能性

視察では、ステーションで栽培されているメロンなども試食されました。この熱帯地域で、リュウガンだけでなく、メロンのような高付加価値のある商業作物が十分に生産できる可能性が確認されたとのことです。

研究機関で品種や栽培方法がしっかり検証され、そこで確立された技術が生産者へと伝えられていく。このような流れは、一時的な輸出だけでなく、地域に根差した持続可能な農業を築く上で、とても大きな意味を持ちます。

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3. 科学で「おいしさ」を証明!ブランド化への道

「おいしい/おいしくない」といった主観的な評価だけでなく、科学的なデータで「おいしさ」を数値化するアプローチにも大きな可能性が感じられました。

果物の糖度や酸度、香りを構成するアロマ成分などを分析機器で測ることで、「おいしさ」を客観的なデータとして示すことができます。さらに、健康に良いとされる「機能性成分」とその効果を調べることで、「おいしい」に加えて「体にとっての価値」という新しい魅力をアピールできるようになります。

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このような客観的なデータは、特定の品種や産地の強みを科学的な根拠とともに示す基盤となります。また、栽培方法の改善や「ポストハーベスト(収穫後の処理や貯蔵)」の最適化にも、明確な評価基準を与えてくれます。ガジャマダ大学の研究力とサウィッ・サリ研究ステーションの圃場を組み合わせることで、地域の作物を世界に通用するブランドへと育てていくことができるかもしれません。

4. 果実発酵で、新たな価値と保存性を

さらに、果実を「発酵」させることにも大きな可能性があることが確認されました。生鮮の果物は輸送や保存が難しいことがありますが、発酵させることで、新しい用途が生まれ、保存期間も延ばせます。また、発酵によって香りや成分が変化し、もとの果物とは違う、より魅力的な価値を生み出すことも可能です。

今回の視察を通じて、果実の価値は、

    • 良い苗の選択(どの親木から、どうやって苗を作るか)

    • 適切な育て方から収穫まで(栽培管理、収穫のタイミング)

    • ポストハーベスト(選別、貯蔵、加工、発酵)

という各段階の積み重ねによって決まり、それぞれの段階に科学的なアプローチで価値を高める余地がたくさんあることが改めて認識されました。

今後の展開

スペースシードホールディングスは、ガジャマダ大学生物学部やAAI株式会社など、さまざまな関係者と協力し、苗の増殖から栽培、収穫、ポストハーベスト、機能性評価までを一貫して取り組む枠組みの構築を進めていくとのことです。この取り組みが、ASEAN地域と日本を結ぶ「循環型フード・アグリモデル」の具体的な成功事例となることが期待されます。

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スペースシードホールディングス代表取締役の鈴木健吾氏は、「苗をどう作るかというスタート地点から、収穫後の加工・発酵というゴールまで、バリューチェーン(価値の連鎖)の全ての段階に科学の力が役立つことを、現地で再確認しました。特に、接ぎ木の良し悪しが数年後の果実の品質を左右するという事実は、産業化を考える上で非常に示唆に富むものでした。おいしさを『感想』ではなく、糖度やアロマ成分といった測れる指標として扱い、さらに機能性の評価まで踏み込むことで、ガジャマダ大学とともに、ジョグジャカルタの作物を世界に通用するブランドへと育てていけると考えています」とコメントしています。

AAI株式会社について

AAI株式会社(アジア・アフリカ リサーチ・コンサルティング&インベストメント)は、インドネシアをはじめとするアジア・アフリカ地域で調査・コンサルティング・投資事業を展開しています。

スペースシードホールディングス株式会社について

スペースシードホールディングスは、「SFをノンフィクションにする」をミッションに、宇宙系ディープテックベンチャービルダーとして投資・研究・事業創出を行う企業です。発酵とロンジェビティー(長寿)技術の社会実装を支援するプログラムなどを通じ、社会課題解決に取り組んでいます。